オオナル カズヒロ
Kazuhiro Onaru
大成 和寛 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 脊椎・関節整形外科学 職種 講師 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読なし |
表題 | 当院におけるステロイド性骨粗鬆症に対する簡易スクリーニングを用いたガイドライン遵守率とその有効性 骨密度測定はどの程度測定されているのか? |
掲載誌名 | 正式名:日本骨粗鬆症学会雑誌 ISSNコード:21898383 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | (一社)日本骨粗鬆症学会 |
巻・号・頁 | 9(1),43-50頁 |
著者・共著者 | 大成 和寛, 曽根 照喜 |
担当区分 | 筆頭著者 |
発行年月 | 2023/02 |
概要 | 目的:ステロイド性骨粗鬆症(GIO)は骨折リスクが高いため,ガイドラインに沿った予防・治療が必要である.わが国では既存骨折,年齢,ステロイド(GC)投与量,腰椎骨密度からスコアリングを行い,3点以上に対して投薬を行う.しかし,筆者らは既存骨折と骨密度は未評価患者が多いと想定し,治療率を年齢とGC投与量のみを評価した簡易スクリーニングを用いて調査してきた.今回は2019年度のガイドライン遵守率を評価するとともに,簡易スクリーニングの有効性を検討した.方法:2019年度に,当院でGCが処方された患者を対象とした.年齢,GC処方量,骨密度測定歴を抽出し,まずは簡易スクリーニングを行い3点以上の患者に対して治療率を評価した.次に,骨密度測定結果をふまえて治療率を評価した.結果:評価対象患者は1,709例で,そのうちガイドライン適応患者1,363例中の854例(62.7%)に対してビスホスホネート薬(BP)もしくはデノスマブ(Dmab)投与が行われていた.骨密度は182例(10.6%)で測定されていた.18歳以上50歳未満で3点未満の患者は255例で,骨密度は16例で測定されており3点以上となった患者は3例であった.50歳以上65歳未満で3点未満の患者は91例で,骨密度は11例で測定されており3点以上となった患者は4例であった.3点以上の7例では何らかの骨粗鬆症治療が行われていた.結論:簡易スクリーニングを用いた調査の結果,GIOに対する治療率は,BP and/or Dmab群で62.7%であった.骨密度測定患者は全体の約10%であり,スコアが3点以上となった患者全例でGIOの治療が実施されていた.簡易スクリーニングは要治療患者を抽出するための簡便な方法で過小評価となりうるが,骨密度が測定されていない患者が多い現状では,年齢とGC投与量のみの評価でも問題ないと考えた.(著者抄録) |
文献番号 | 2023113672 |