モリヤ タクヤ   Takuya Moriya
  森谷 卓也
   所属   川崎医科大学  医学部
   職種   学長付特任教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 乳腺に発生した腺様嚢胞癌の1例
掲載誌名 正式名:岡山県臨床細胞学会誌
掲載区分国内
出版社 岡山県臨床細胞学会
巻・号・頁 40,27-31頁
著者・共著者 舘上 里緒菜, 福屋 美奈子, 藤本 大地, 田中 誠, 寺尾 祥江, 小林 江利, 伊禮 功, 森谷 卓也
発行年月 2022/12
概要 【背景】腺様嚢胞癌は,唾液腺,肺などに発生するが,乳腺原発は極めて稀であり,全乳癌に対する発生頻度は0.1%である.今回,乳腺に発生した腺様嚢胞癌の1例を経験したので報告する.【症例】70歳代,女性,既往歴に子宮癌,脂質異常症,糖尿病.1年前から右乳房腫瘤を自覚していたが,増大したため前医を受診.手術目的で当院紹介受診となり,右乳房全切除術施行.摘出材料より穿刺吸引細胞診を施行.直接塗抹法,LBC法で標本作製した.腫瘍細胞は大型シート状,管状の集塊として出現し,パパニコロウ染色では集塊中にヘマトキシリンに淡く染まる粘液様物質や,一部,ライトグリーンに濃染する硝子様物質がみられた.それらの物質はGiemsa染色では異染性を示していた.直接塗抹法に比べLBC法では立体構造が観察しやすく,粘液様物質や硝子様物質がより明瞭となった.【結論】腺様嚢胞癌の診断には,篩状や球状の構造を認めることが重要である.粘液様物質や硝子様物質の判別にはGiemsa染色が有用である.LBC法では,篩状構造など立体構築の識別が容易となり,球状物質も認識しやすくなる.LBC法の併用は,診断精度の向上に役立つものと思われる.(著者抄録)
文献番号 2023065867