ナカノ タカシ
Takashi Nakano
中野 貴司 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 小児科学 職種 特任教授 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 外国人患者が医療機関受診において経験するコミュニケーション・ギャップ |
掲載誌名 | 正式名:川崎医学会誌一般教養篇 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (44),39-48頁 |
著者・共著者 | 水田耀, 橋本美香, 長谷川真紀, 中野貴司, 田中孝明, Raphael Hawkins |
発行年月 | 2018/12 |
概要 | 近年,日本の医療施設が外国人患者を受け入れる機会が増加し,外国人患者が医療機関受診において経験するコミュニケーション・ギャップに関する報告が散見されている。そこで,本研究は,外国人患者が経験するコミュニケーション・ギャップについて調査し,医師が養うべきコミュニケーション能力を明らかにすることを目的とする。具体的には,AMDA国際医療情報センターで外国人患者からの相談に対応している相談員45名を対象に質問紙調査を行った。さらに,質問紙回答者のうち,無作為抽出された相談員3名に対し,面接調査を行った。その結果,コミュニケーション・ギャップは,「日本語能力の不足」,「外国人に対する偏見への恐れ」,「医師の説明不足」,「文化・慣習の違い」であることが示された。医師が習得すべきコミュニケーション能力として,「簡潔,論理的な説明」,「文化・慣習の違いの認識」,「思いやり,共感力」などが挙げられた。これらのことから,「簡潔,論理的な説明」のためには,日本語,英語を母語としない外国人にとって,平易な表現とはどのようなものかについて言語学的に理解する必要があることが明らかになった。これによりコミュニケーションが可能になり,「文化・慣習の違いの認識」が深まり,さらに,「思いやり,共感力」を持つことが可能になると考える。 |