ヤマガタ タカシ
Takashi Yamagata
山形 高司 所属 川崎医療福祉大学 医療技術学部 健康体育学科 職種 講師 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 高強度運動後における血中乳酸応答と唾液中乳酸および尿中乳酸の関係 |
掲載誌名 | 正式名:川崎医療福祉学会誌 ISSNコード:09174605 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 18(1),155-162頁 |
著者・共著者 | 山形高司, 脇本敏裕, 長尾光城, 松枝秀二, 長尾憲樹 |
担当区分 | 筆頭著者,責任著者 |
発行年月 | 2008/07 |
概要 | 本研究は高強度運動後における血中乳酸応答を血液以外の体液中乳酸測定により把握できるか検討することを目的とした.8名の健康で運動習慣のある成人男性を対象に,30秒間全力自転車駆動後における血液,唾液,尿中乳酸の比較検討を行った.運動後における血中乳酸と唾液中乳酸の同時採取による検討から,乳酸濃度-時間曲線下面積(Area Under the Curve,AUC)を用いた運動終了3-10分に対する10-60分の割合において,血中乳酸と唾液中乳酸の間に正の相関を認めた.しかし,最高血中乳酸濃度と最高唾液中乳酸濃度,運動終了3-60分のAUCで血中乳酸と唾液中乳酸の間に関係が認められないなど,血中乳酸と唾液中乳酸に明らかな関係は示されなかった.これらの要因としては唾液の分泌腺,分泌量が影響を及ぼしたと考えられ,唾液中乳酸の活用に際しては唾液採取方法について考慮する必要があることが示唆された.尿中乳酸に関しては,運動終了15分後および60分後に採尿を行い,排泄量(mg/min)を用いて運動後の血中乳酸との関係を検討した.その結果,運動終了60分後における尿中乳酸は最高血中乳酸濃度との間に有意な正の相関を示した.また,AUCを用いて運動後3-10分に対する10-60分後の割合から求めた血中乳酸の回復状態と運動終了15分後に対する60分後の割合から求めた尿中乳酸の回復状態との間に正の相関が認められた.一方,運動終了15分後における尿中乳酸と血中乳酸との間に明らかな関係は認められなかった.これは,主に運動直後における腎血流量の減少が影響を及ぼしたと考えられる.以上のことから,高強度運動後における最高血中乳酸濃度や血中乳酸回復状態を把握する指標として,運動終了15分から60分の間に得られた尿中乳酸が有用となる可能性が示唆された. |