クマノ イチロウ   Ichiro Kumano
  熊野 一郎
   所属   川崎医療短期大学  教育部 看護学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル ウサギ小腸と気管でのサイトケラチンサブクラスの機能分担.
会議名 第105回日本解剖学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者岩月宏彦,◎須田満寿美,小川千鶴,熊野一郎
発表年月日 2000/03/29
開催地
(都市, 国名)
横浜
学会抄録 解剖学雑誌 75(1),134 2000
概要 我々はウサギ顎下腺導管上皮細胞におけるケラチン(サイトケラチン;K)-7,8,13,14,18と20の機能分担を明らかにした(104回解剖学会総会).本研究ではケラチンの機能の普遍性の有無を知るために,ウサギの十二指腸と気管の粘膜上皮でK-2,3,4,5,6,7,8,10,13,14,16,17,18,19,20とアクチンを免疫組織化学的および超微免疫組織化学的に検出し,それらの局在を比較した.
  K-3, 14と17は十二指腸と気管で,基底細胞を除く全ての上皮細胞の細胞頂部に帯状に検出された.これらのケラチンは細胞の頂部網工形成と細胞−細胞間連結に関与すると考えられる.さらに気管の線毛細胞では他にK- 5, 13と18が頂部網工形成に関与する.K-7, 8, 14, 17とアクチンは十二指腸と気管の上皮細胞の核上部にカゴ状構造として検出された.電子顕微鏡で観察するとカゴ状構造の内部にゴルジ装置と思われる小嚢や小胞が認められた.K-7, 8, 14, 17で構成されるケラチンフィラメントとアクチンフィラメントが協同して網工を形成し,ゴルジ装置の支持と形態維持に働くと考えられる.十二指腸の吸収上皮細胞ではK-5と18が端網層と頂部網工上部に検出された.これらのケラチンはアクチンで構成される端網層と主にK-3, 14と17で構成される頂部網工の連結に関与するらしい.K-7は全ての上皮細胞の細胞質全域で検出された.K-7は上皮細胞の形態維持に働くらしい.さらに気管の基底細胞では他にK-13とK-17が,両上皮の杯細胞では他にK-20が細胞の形態維持に働くらしい.K-2, 4, 6, 10, 16, 19はいずれの上皮細胞にも検出されなかった.