オカモト ノブオ   Okamoto Nobuo
  岡本 宣雄
   所属   川崎医療福祉大学  医療福祉学部 医療福祉学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 福祉サービスを利用する高齢者の「死生観」に関する一考察
-生きる意味としてのスピリチュアリティの観点から-
会議名 第20回日本臨床死生学会大会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎岡本宣雄
発表年月日 2014/11/30
開催地
(都市, 国名)
川崎市産業振興会館(神奈川県川崎市)
概要 本研究は、生きる意味としてのスピリチュアリティの観点から、特に、高齢者が「死」を、どのように捉え、意味付けしているのか、またそれが生活にどのように影響を与えているかを考察する。それにあたり、福祉サービスを利用し生活を営む高齢者の生きる意味に関する質的調査の結果と分析の一部を用いる。
 インタビュー法による。インタビューは、A県B、C市内に在住する、「老人デイサービス」の利用者3名(女性3名)、「介護付き有料老人ホーム」の入居者7名(男性3名、女性4名)の計10名を対象とし、2011年11月~2012月4月に実施した。インタビューの主要な内容は、PILテスト(Purpose in Life Test:生きる意味・目的意識を測定する心理検査)(佐藤文子監修,2008)のPart-B,Cの項目、「高齢者スピリチュアリティ評定尺度調査票」(三澤久恵,2008)の項目の一部である。データはすべて録音をし、逐語記録を作成した。分析方法は、「定性的(質的)コーディング」である(佐藤2006、2008)を用いた。
 分析の結果、6カテゴリー、23コードが抽出された。本発表では、「死生観」に関連するカテゴリ-ならびにコードの内容について取り上げた。カテゴリー名は「死に思いを馳せる」、コード名は以下の5つである。①「死の意味を問う」②「親しい(家族)と死に別れる」③「死と向き合う態度を示す」④「墓を大切にする」⑤「死ぬことの準備をする」。考察により、介護サービスを利用する高齢者は、死に思いを馳せて生活していることが明らかになった。そして、生きる意味としてのスピリチャリティの構成要素である「死生観を捉え、解釈する際の理論的な枠組み、すなわち、「本質的・機能的理解」「時間」「関係」「価値」の観点から死生観を解釈するモデルが提示された。