ハヤシ ヤスコ   Kobayashi Yasuko
  林 泰子
   所属   川崎医療福祉大学  リハビリテーション学部 視能療法学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 角膜ケロイド切除後にアミロイドーシスを発生した1例
会議名 角膜カンファランス2017
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎林泰子, 近間泰一郎, 井之川宗右, 木内良明
発表年月日 2017/02/17
開催地
(都市, 国名)
福岡県 福岡市, 日本
概要 目的:我々は2016年の角膜カンファランスにて、角膜ケロイドの1例を報告した。同症例の経過観察中に病変の再発と再発部位のアミロイドーシスへの変化を経験したので報告する。
症例:68歳男性。2014年から左眼に角膜白斑が生じ、2015年に近医から当科を紹介されて受診した。左眼鼻側には、白色の角膜混濁と隆起がみられ、角膜形状異常に伴う視力低下も生じていたため、同年3月に左眼の異常組織を掻爬した。病理組織所見でCongo red染色は陰性、αSMAは陽性で、細隙灯顕微鏡による所見と照合して角膜ケロイドと診断した。掻爬後の角膜の透明性は高く、矯正視力(1.5)であったが、角膜の鼻側に隆起性病変が出現し、徐々に拡大したことで異物感を生じたため、2016年7月に再発部位の掻爬を行った。掻爬した組織切片の病理組織には、角膜実質層の膠原線維の走行の乱れと散在する慢性炎症細胞浸潤がみられた。また、Congo red染色が陽性で偏光顕微鏡下で緑色偏光を示す沈着物が確認され、アミロイドーシスと診断された。
結論:本症例は、角膜ケロイドと診断して経過観察を行っていたが、掻爬後の再発時にアミロイドが検出された。アミロイドーシスの要因となる全身疾患はみられないことから、限局性のアミロイドーシスと考えた。