ハヤシ ヤスコ   Kobayashi Yasuko
  林 泰子
   所属   川崎医療福祉大学  リハビリテーション学部 視能療法学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 免疫染色によって診断が確定した角膜ケロイドの1例
会議名 角膜カンファランス2016
主催者 北里大学医学部眼科
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小林泰子, 近間泰一郎, 山崎依里子, 戸田良太郎, 井之川宗右, 木内良明
発表年月日 2016/02/18
開催地
(都市, 国名)
長野県軽井沢
概要 目的:免疫染色によって診断が確定した角膜ケロイドの1例を経験したので報告する。
症例:67歳男性。2014年から近医で左眼の角膜白斑の経過観察をしていたが、徐々に角膜白斑が大きくなってきたため、2015年1月に当科を紹介され受診した。初診時、左眼鼻側に白色の角膜混濁と隆起がみられた。また、鼻側の結膜には手術痕があった。前眼部OCTでは、鼻側角膜上皮に高輝度な隆起性病変がみられ、その部位に一致して角膜前面は急峻な角膜形状を示し、角膜後面は平坦化していた。左眼の角膜混濁は瞳孔領に達していなかったが、矯正視力は(0.6)であった。3月に左眼の異常組織を掻爬し、Congo red、αSMAで染色した。掻爬した組織を光学顕微鏡で観察したところ、角膜混濁していたにも関わらずほぼ正常な形態の上皮と実質の層構造がみられた。Congo redは陰性でαSMAは陽性であった。掻爬後の角膜の透明性は高く、矯正視力は(1.5p)となった。
結論:本症例は、角膜混濁がみられたにも関わらず、該当部位の病理組織診断では、ほぼ正常な角膜と同様な層構造がみられた。しかし、細隙灯顕微鏡による所見と免疫染色のαSMAが陽性であったことから角膜ケロイドと診断した。混濁部位は瞳孔領に侵入していなかったが、混濁部位の異型組織の収縮により角膜形状に異常をきたし、視力低下が生じたと考えられた。角膜前面に異常な組織が生じている場合は、角膜後面への形状変化の影響を考慮し、角膜形状解析による評価をおこなうことで病態の把握につながることが示唆された。