ハヤシ ヤスコ   Kobayashi Yasuko
  林 泰子
   所属   川崎医療福祉大学  リハビリテーション学部 視能療法学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル ドセタキセルにより角膜上皮障害と黄斑浮腫を呈した1例
会議名 角膜カンファランス 2014
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小林泰子, 近間泰一郎, 門廣祐子, 阿部恵梨子, 戸田良太郎, 井之川宗右, 出口香穂里, 木内良明
発表年月日 2014/01/31
開催地
(都市, 国名)
沖縄県,日本
概要 目的:ドセタキセル(タキソテール®)による眼合併症として片眼の角膜上皮障害と両眼の黄斑浮腫を呈した1例を経験したので報告する。
症例:83歳男性。前立腺癌に対してドセタキセルを投与中に,近医で右眼の角膜障害に対してヒアレイン,タリビット,0.1%フルメトロンにより加療されたが改善傾向がないため当科を紹介され受診した。初診時,右眼の角膜は上方から異型上皮の侵入が観察された。生理食塩水点眼で経過観察をしたが病変は改善せず,異型上皮が瞳孔領に侵入し視力が低下した。そのため,上皮掻爬により異型上皮を除去した。その後,角膜上皮障害がみられないにも関わらず,右眼の視力が改善せず,同時期に角膜障害のほとんどない左眼の視力低下も伴ってきたため,眼底検査を行ったところ両眼に黄斑浮腫がみられた。黄斑浮腫に対しては,ステロイドのテノン嚢内注射と抗VEGF療法を施行したが,処置後も黄斑浮腫は残存している。なお,当科初診時から経過観察中に流涙症状は無く,上皮掻爬後からは異型上皮の再発もみられていない。
結論:ドセタキセルによる異型上皮の侵入と黄斑浮腫を併発した症例を経験した。これまでに,涙道障害や黄斑浮腫の報告はあるが,角膜上皮障害についての報告はなく非常に稀な1例であると考えられた。